【解決事例/072】医師面談を複数回行った結果、手関節の可動域制限につき後遺障害12級が認定され、訴訟の結果、相手方の提示額の5倍以上の金額で解決ができた事例
依頼者属性 | 性別 | 女性 |
---|---|---|
年代 | 60代 | |
職業 | 主婦 | |
事故態様と相談 | 事故場所 | 大分市 |
事故状況 | 歩道で信号待ちをしていたところ、駐車場から後退で出てきた車にはねられた。 | |
相談のタイミング | 事故から約8か月後 | |
相談のきっかけ | ギプス固定期間中に家事ができなかったことについての補償を受けることができるかどうかについて聞きたい。 | |
怪我と後遺障害 | 傷病名 | 左橈骨下端・尺骨基状突起骨折 |
自覚症状 | 左手関節可動域障害、左前腕から左第4・5指のしびれ | |
後遺障害等級 | 併合12級(12級6号・14級9号) | |
保険会社提示額 | 事前提示 | なし(保険会社が金額を提示する以前に弁護士が介入したため) |
獲得賠償金額 | 損害項目 | 最終受取金額 |
金額 | 約920万円 | |
備考 | 治療費などを含めた賠償総額約950万円 |
相談から解決までの流れ
◆事故からご依頼まで
歩道で信号待ちをしていたところ、駐車場から後退で出てきた車にはねられ、左橈骨下端・尺骨基状突起骨折などの怪我を負われたケースです。
事故から約8か月後にご相談にみえられ、ご依頼いただくことになりました。
◆治療から後遺障害認定まで
事故から約10か月後に症状固定となりましたが、左手関節(手首の関節)の可動域制限や左前腕から手指にかけてのしびれの症状が残存したため、主治医に後遺障害診断書を作成いただきました。
できあがった後遺障害診断を確認したところ、2点、問題点がありました。1点目は可動域の測定結果の記載に誤記と思われる記載がなされていること、2点目はケガをしていない右手側の可動域の値もかなり悪かったことです。
関節可動域制限の場合、原則として、ケガをしていない正常な側との可動域の値を比べて後遺障害の認定がなされるので、このままでは、後遺障害の認定が出ない可能性もありました。依頼者に確認をしたところ、「約30年前に右手を骨折したことがあり、その後遺症で右手の関節も動きにくくなっている。」とのことでした。そこで、医師面談を行い、①可動域制限の誤記について訂正をいただいたうえで、②約30年前の事故により右手に可動域制限が残存していることを追記してもらいました。
加筆修正をして頂いた後遺障害診断書に基づき、自賠責保険に被害者請求を行ったところ、左手関節の可動域制限につき12級6号、左前腕から指にかけてのしびれについて14級9号の後遺障害が認定されました(併合12級)。
◆示談交渉
後遺障害認定後、保険会社は、代理人として弁護士を立て、相手方弁護士は、約135万円という金額での示談案を提示してきました。相手方の示談案の主な理由は、「治療中に整形外科に月に1回程度の頻度での通院しかしていない。したがって、後遺症が残ったのは、しっかりとリハビリをしなかった本人の責任もあるので、後遺障害14級を前提とした提示しか行えない。」というものでした。
そこで、主治医と医師面談を行い、治療中のリハビリについて確認をしたところ、「自宅でのリハビリを指示していたこと、自宅でのリハビリにも相当の効果があることが確認できました。
これを受け、訴訟をしても勝てる見込みが高いと判断し、適正な賠償金額の支払を求め相手方を提訴をしました。
◆訴訟から解決まで
訴訟提起後、再度医師面談を行い、当事務所で作成した医療照会兼回答書という書面に、リハビリについての主治医の先生のご所見をご記載いただたき、裁判所に証拠として提出しました。
その結果、こちらの主張が全面的に認められ、既払金のほか700万円を支払うという内容で裁判所から和解案が提示され、和解に至りました。
担当弁護士の振返りポイント
医師面談が大きなポイントとなったケースです。本件では、合計3回の医師面談を行い、後遺障害の認定と訴訟における相手方の主張に対する反論の際に、主治医のご所見をいただき、それを適切に証拠化することで、良い結果を得ることができました。
本件のように、交通事故のケースでは、医師面談が決定的に重要となることがよくあります。医師面談を良いタイミングで、多くの回数行うためには、事故にあった地域に事務所をおく弁護士依頼した方が良いと思います。
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