むちうちと鍼灸・整骨院について

むちうちと鍼灸・整骨院

1 むちうちと鍼灸・整骨院

むちうちの被害者の方で、鍼灸・整骨院での治療を希望される方は数多くいらっしゃいます。しかし、保険会社は、鍼灸・整骨院での治療に西洋医学のような科学的根拠がないことなどを理由として、鍼灸・整骨院での治療を認めないことがあります。

(1)鍼灸・整骨院の施術費が認められるための要件

鍼灸・整骨院の治療費について、裁判所の認定基準は、「症状により有効かつ相当な場合、ことに医師の指示がある場合などは認められる傾向にある」というものです。この認定基準に基づき、①施術の必要性、②施術の有効性、③施術内容の合理性、④施術期間の相当性、⑤施術費の相当性などの事情をみて、施術費を認めるかどうかを判断しています。
保険会社の担当者がよく、「整骨院に通いたいなら医師の許可を取ってください。」というのは、上記の裁判所の認定基準を踏まえてのことです。

(2)鍼灸・整骨院に通う時の注意点

①整形外科への通院をやめないこと

保険実務では、傷病の内容・程度、治療の必要性などは、整形外科の医師による診断に基づいて判断されます。したがって、整形外科には全く通院せずに鍼灸・整骨院にだけ通院していると、それだけで治療を打ち切られる理由となってしまいます。
また、事故から6か月程度経っても症状が治らない場合は、後遺障害の手続を検討することになりますが、最終の通院日から数か月のブランクがあると、医師は診断書の作成を断ることが多いです。
したがって、鍼灸・整骨院で治療を受ける場合でも、最低1か月に1回以上は、整形外科に通院し、診察や治療を受けるようにしましょう。

②施術の内容や頻度により打ち切られやすくなる

施術により治療効果が出ている場合は、施術の部位や頻度が減っていくのが通常なので、数か月間も施術の内容や頻度が変わっていないと打ち切られやすくなります。
鍼灸・整骨院によっては、「来れる日には毎日通院してください」と通院指導をすることもありますが、このような通院の仕方をすると、早期の打ち切りにあってしまいます。ほとんど毎日通院しているようなケースは、多くの場合、3か月以内に打ち切られます。
したがって、毎日通院しなければ治療効果が出ないというのでなければ、無理に過剰な通院をせずに、症状の改善に合わせて自然な通院頻度で通院をするようにしましょう。

③整形外科の診断に合った部位を施術する

整形外科で診断されていない傷病については、施術費用は支払われません。鍼灸・整骨院で、整形外科で診断されていない部位について施術がされていて揉めることがあります。
したがって、鍼灸・整骨院を受診するときには、整形外科の診断書のコピーを持参するようにしましょう(警察に人身事故で届け出る際の診断書のコピーで構いません。)。

(3)保険会社が鍼灸・整骨院での施術を認めない時の対応

保険会社が鍼灸・整骨院の施術を認めない場合には、以下のような対応を取ります。

①医師の同意を得る

医師の同意を得れば、保険会社も鍼灸・整骨院での施術を認めますので、まずは、医師に鍼灸・整骨院で施術をしたい旨を伝え、同意を得るようにします。
ただ、整形外科の医師は、鍼灸・整骨院での施術を好ましくないと思っていることも多く、同意を得ることが難しい場合もよくあります。

②転院をする

医師の同意が得ることが難しい場合は、鍼灸・整骨院での施術に理解のある医師のもとに転院をすることもあります。
当事務所では、大分県内で鍼灸・整骨院での施術に理解のある医師を把握しているので、転院先を紹介させて頂いております。

③自賠責保険に施術費を請求する

自賠責保険では、120万円の自賠責保険金の支払上限内であれば、ほとんどの場合、鍼灸・整骨院での施術費が支払われます。
したがって、いったん自費負担で鍼灸・整骨院に通院し、通院終了後に自賠責保険に施術費を請求するという方法を取ることもあります。

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