頚椎捻挫等について治療費打ち切りを提案された大分在住の30代会社員男性の治療を延長し14級を獲得した事例(約310万円増額)
事故の発生
依頼者は,大分在住の30代男性会社員でした。
依頼者は,信号停車中に,後方から進行してきた加害者車両に追突され,頚椎捻挫・腰椎捻挫の傷害を負いました。
相談のきっかけ
依頼者は,治療のための通院を継続していましたが,事故から2か月程度経ったとき,保険会社から「治療費の対応はあと1か月で終了します。」と言われてしまいました。
依頼者は,まだ患部に痛みを感じていたことから,治療を続けることはできないかと考えて,当事務所に相談に来られました。
当事務所の活動
①治療期間継続のための医師面談
この依頼者にとっての直近の課題は,治療を継続できるかどうかという点でした。
そこで,弁護士が,主治医に医師面談を行い,治療の見込みについて意見をうかがいました。
すると,主治医の先生から,「この種のけがであれば,受傷から6か月はみた方がよいでしょう。」と回答をいただきました。
そして,弁護士から保険会社の担当者へ,医師面談の結果を報告。
結果として,保険会社から,「治療期間として少なくとも6か月を認め,治療費の支払いを継続する」との回答を得ました。
②後遺障害等級認定のための書面作成依頼
依頼者は治療を継続していきましたが,事故から4か月,5か月が経っても痛みが完全になくなることはありませんでした。
そこで,弁護士は,通院期間が6か月に達した時点で,主治医の先生に,治療経過に関する証明書の作成をしていただきました。
③被害者請求(後遺障害認定の申請)
当事務所では,後遺障害等級の申請は,保険会社に任せず,弁護士事務所として行います。
この事故の調査を進めていくうちに,依頼者の乗っていた車両が,大きく変形し相当額の修理費が発生していることが判明しました。
その損傷と修理費の程度が,他の追突事故に比して重かったため,後遺障害等級申請に際しては,依頼者の自動車の物損状況も添付しました。
その結果,依頼者は,頚椎捻挫による神経症状として14級9号,腰椎捻挫による神経症状として14級9号,併せて併合14級の等級を認定されました。
当事務所の示談交渉
結論からして,ほぼ裁判基準に沿った賠償金を,示談によって獲得できました。
当事務所では,逸失利益や慰謝料など問題となる損害項目については,計算根拠を明確にして請求を行います。
そのため,保険会社としても賠償金の根拠を理解しやすいものと感じています。
解決金額
獲得合計賠償額:約310万円
<内訳>
損害項目①:傷害慰謝料(通院約6か月分)
金額:90万円超
備考:裁判基準どおり
損害項目②:後遺症逸失利益
金額:約88万円
備考:裁判基準どおり
損害項目③:後遺症慰謝料
金額:110万円
備考:裁判基準どおり
解決のポイント(所感)
この依頼者の場合には,まず治療継続のための医師面談が功を奏したのが大きいですね。
治療費が打ち切られると,痛みがあっても病院に行かなくなり,症状は改善しないうえに,等級認定で不利に働くという負の循環が発生します。
それを未然に防ぎ,等級もきちんと獲得できたのは,医師面談がきっかけだと思います。
また,この依頼者の方は,私からのアドバイスや指示に迅速にしたがっていただいていたので,その点も大きかったでしょう。