【解決事例/061】会社が作成した休業損害証明書をめぐって交渉が行われた事案
依頼者属性 | 性別 | 男性 |
---|---|---|
年代 | 20代 | |
職業 | 会社員 | |
事故態様と相談 | 事故場所 | 大分市 |
事故状況 | 交差点を直進していたところ,右折してきた対向車と衝突した | |
相談のタイミング | 事故から2か月後 | |
相談のきっかけ | 整骨院からのご紹介 | |
怪我と後遺障害 | 傷病名 | 母指MP関節側副靭帯損傷 |
自覚症状 | 物を握った時に痛む | |
後遺障害等級 | 非該当 | |
保険会社提示額 | 事前提示 | なし(保険会社が金額を提示する以前に弁護士が介入したため) |
獲得賠償金額 | 損害項目 | 最終受取金額 |
金額 | 約125万円(休業損害内払を含む) | |
備考 | 治療費などを含めた賠償総額約190万円 |
担当弁護士の振返りポイント
事故から間もなく、通院されていた整骨院のすすめで、相談に見えました。
幸いお怪我も軽かったため、あまり保険会社と揉める要素が無いように思ったのですが、休業損害の請求でつまづきました。
事故によってお仕事に影響がでてしまった場合、休業損害を請求できる場合があります。この場合、その影響が出た事実を証明する必要があります。
会社員の方は、欠勤や遅刻・早退、有給の取得などの事実を、雇用主に書面に記載してもらう扱いが一般的です。この書面のことを休業損害証明書といいます。
今回も、依頼者の会社に休業損害証明書の作成してもらい、保険会社に提出の上、休業損害を請求しました。しかし、保険会社から「この会社が営業している実態を証明しろ」という要求がありました。要するに、保険会社は、会社の存在を疑っていて、実際は働いていないのに、働いているものとして、示談金を請求しているのではないかと考えていたわけです。
休業損害証明書には、会社の代表者の名前と印鑑が記載されており、記載内容に責任が生じますから、このような疑いをかけられることは正直想定していませんでした。
しかし、休業損害の補償は生活していく上で重要ですので、私は、早速、依頼者の会社を訪問し、雇い主に面談をお願いしました。そして、依頼者の勤務状況等を記載した書面を作成していただきました。
結果的に、揉めはしましたが、一応、休業損害は証明書どおりに支払われることとなりました。ちなみに、揉めている間、生活費は慰謝料の内払によって確保することができました。これは、治療終了後に支払われる慰謝料を、治療中の生活費に充てるなどの目的で、治療終了前に先払いしてもらうことです。
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